三環系抗うつ剤は社会不安に対して効果が薄い
抗うつ剤もあがり症の治療に対して使用されているが、すべての抗うつ剤があがり症の克服に対して効果があるとは限らない。例えば従来から多く使用されてきた「三環系抗うつ剤」と呼ばれる薬はあがり症など「社会不安」に対しては効果が薄いと言われている。
あがり症の治療に使用される抗うつ剤は「SSRI」と呼ばれる比較的新しいタイプの薬である。この薬の特徴は、従来の抗うつ剤が様々な神経伝達物質に作用するのに対し、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質にのみ作用することにある。
セロトニンは心理的な障害に最も関わりが深いとされる神経伝達物質で、SSRIは神経の終末部分でセロトニンの量を正常に近い量にする効果がある。SSRIはこのようにピンポイントで働きかけることに加え、副作用も少ないとされている。さらに、この薬は「うつ」の治療だけでなく、「パニック障害」や「強迫性障害」の不安を抑える効果もあることから、様々な場面で処方されている。
抗うつ剤を日常的に使用するためには、医師の指示に従い、多くの点に注意しなければならない。抗うつ剤の服用はβ遮断薬と異なり、処方期間が短時間で終了するのではなく、少なくても半年から一年、場合によっては数年以上にかけて続ける必要がある。また、数ヶ月の服用のおかげで効果が現れたとしても、そこで満足して突然服用を止めるとリバウンドの症状が発生することもあるため、服用を止めるには医師の判断が必要になる。
抗うつ剤の使用については注意点が多いことから、必ず医師の処方に従うことが必要になる。そして、抗うつ剤を使用したあがり症の克服には心理的なサポート、つまり心理療法も併用して行うことが多くなる。