精神安定剤、抗うつ剤は不安感情を緩和
精神安定剤を服用することであがり症を治療することができる。最も多く用いられている精神安定剤は「ベンゾジアゼピン」という薬である。ベンゾジアゼピンはあがり症など、不安を原因とする症状や、筋肉の硬直など「身体反応」に対して高い効果を発揮する。
しかし、この薬を服用したからといって他人と積極的に関われるようになったり、他人の視線に対してたじろがずに行動できるようになったりはしない。つまり、ベンゾジアゼピンは一時的な不安を取り除くことはできても、行動様式を変えるまでの効用はない。
また、あがり症を克服するためにベンジゾアゼピンを服用し、その服用を途中でやめてしまうと、より強い不安を感じてしまうこともある。つまり、リバウンドとしてあがり症の症状がより強くなってしまうこともあるのである。
加えてこの薬は依存性が高く、長期間にわたって服用し続けると効果が薄れていくという欠点もある。このような理由から最近ではベンジゾアゼピンがあがり症の治療に対して処方されなくなってきた。現在では、あがり症よりも症状の重い「社会恐怖」と呼ばれる精神疾患の患者に対してのみ処方されるようになっている。
抗うつ剤もあがり症の克服に効果があるといわれている。うつ病でなくても処方されるケースがあるのである。なぜなら、抗うつ剤はネガティブな考え方や不安な感情、不自然な行動などあらゆる症状においてポジティブな効果が期待できるからである。